日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ビッグデータは利益を極大化?

 

目と民から成る文字は「眠」である。
吉野弘さんの詩『「目」の見方』にある。<民の目は眠くて/罠の中>と。
目が眠りこけて横たわれば「罠」に変わるらしい。

手作りの零戦に対し、米国の戦闘機は大量生産品だった。

終戦の四半世紀後、大阪万博で<日本は規格大量生産ができる>と、(世界へ)宣言することが叶った。日本中が働きづめで猛烈に働き、ついに成し遂げた復興の姿である。

「モーレツ」は時代の合言葉だった。また同じ1970年に、富士ゼロックスのCMが登場。<モーレツからビューティフルへ>が、日本人の意識の変化を先取りしたコピーだと話題にもなった。

 

1891

 

ビッグデータ活用は企業にとって、無駄を省き、利益を極大化する武器になるという。
回転ずし・スシローは、来店客が食べたいタイミングで食べそうなすしを出すため、すし皿の裏につけたICタグから顧客の消費データを集めた。

まず来店客は店の入り口のタッチパネル画面で、大人の数と子どもの数をチェックインする。その情報はネット上のデータベースに送り込まれる。

それまでに客の好みを細かく分析しているビッグデータを使い、(家族構成に応じ)着席して1分後に何を食べそうか、10分後まで何を食べるか、などという予測が瞬時にはじき出され、厨房の画面に届く仕組みである。

店長は、天気などを見ながら自分の勘も加えて微修正をする。
マグロのすしの場合、だれも手にとらないまま回転レーンを350メートル回ったものは廃棄される。それが、来店客の求めるすしを予測して出すようになってから、廃棄率は4分の1以下になったとのことだ。

 

1892

 

3年前、ヤフーの検索利用者は月間7千万人であった。昼時には1秒間に5万ものアクセスがある。巨大なデータは、4千台の分散処理システムに流し込まれるとのこと。人工知能(AI)も使い、約300人のデータ処理担当者が解析するのだ。

ヤフーは、利用者が調べたい言葉を書き込む「検索窓」について、どの大きさが最適なのかを分析した。

“窓”の大きさを微妙に変えながら、ビッグデータを解析していく。
その結果、それまでの“窓”よりも27%大きくした方が、(利用者の)反応が良いと判明した。

そのとおりに拡大すると検索数が増え、広告収入が年5億円も増える効果が出たそうだ。

この話で思い出すのは、味の素の容器・中蓋の穴を大きくして売上が上がったという伝説である。社内で案を募って、パート勤務女性の幼少の子どもの発案が採用に、というオチである。

話の真意は定かではないが、その子どもを“手作りの零戦”に見立てると、ビッグデータは“大量生産品の米国戦闘機”であろう。ビッグデータと対等に張り合える幼少の頭脳に、拍手喝采なのである。