日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

写真を撮るためのレコード店

 

アナログレコードの人気が若い世代を中心に復活しているらしい。
昨日の読売新聞記事によれば、デジタル音源とちがう温かみのある音質で、“モノ”としての実感が良いという。

1970年代後半に最盛期だったレコードの国内生産枚数は年間約2億枚。
しかし、80年代にCDが登場し、2000年代は音楽のネット配信が普及する。
2009年のレコード生産枚数は、約10万枚までに激減した。

このまま姿を消すと思われていたレコードも、状況の変化で昨年は約80万枚と、(09年の)8倍にまで盛り返した。

CDよりも大きく、アーティストの写真や、凝ったデザインが楽しめるジャケットも魅力のひとつ。

レコード売り上げは毎年3割ずつ増えているため、(音楽の)ネット配信に押される販売店は、レコード人気の復活を商機とみている。

レコードプレーヤーも売れていて、5月に発売した某社のレコードプレーヤーは、予約に生産が追いつかない状況だとも。

 

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「レコ女」や「レコード女子」などとインスタグラムで検索すると、レコード店で商品を選ぶ様子の写真が数多くヒットするという。こちらはJ-CASTの記事である。

<お洒落感がすごい!>、<オシャレなレコード屋さんに来た>などと、写真付きでツイッター投稿をする女子もいるようだ。

10代後半から20代前半の女性グループで、店の滞在時間はどのグループも、1分くらいだという。それも、CDやレコードをまったく買わず、“写真”だけを撮りに店を訪れる。
ある老舗レコード店(奈良)のオーナーは、初めて見た(若者の)奇怪行動に驚いたという。
突然、3人組の若い女性が入ってきて、“レコードを見てる様子”を友人が撮影して、すぐに立ち去って行った。今春以降、同様の行動が5回あったそうだ。そして、レコードを買った人は誰もいない。

 

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東京・渋谷のレコード店では、撮影だけして帰っていく客が1日に1~2組いるという。
なかには、商品をまったく見ず写真だけを撮り、サッと帰る人もいる。

とはいえ、レコードブームの影響で、ほとんど見なかった若いお客さんが増えていることは確かなようだ。

店側もそれは嬉しく感じているが、<正直、うちの店でレコードを買う人でも『よくレコードを聴いている』と言う人は少ないのでは>と指摘する。

<“コレクション目的”か、“お洒落なアイテム”としてのニーズの方が強いかもしれない>のだと。

フィルム写真の仕事をしていた私は、レコードブームの話と似た体験を思い出す。
カラー写真全盛の時代、たまに出る白黒写真のフィルムを、複数のカラー写真ラボ(現像所)から集めて、現像・焼き付け処理をする白黒ラボをよく知っていた。

あるとき、女子高生発信の白黒写真ブームが起こり、小さなラボにも仕事が急増した。納期に間に合わせるため、機械を入れ人も増やした。それからすぐにブームが下火で、仕事の量も元に戻った。その数年後、小さなラボの前を通ったらなくなっていた。