不変ではなかった一日の時間
約45億年前、誕生したばかりの地球は自転のスピードが速く、1日は5時間ほどしかなかったそうだ。以前、新聞のコラム記事で知りおどろいた。
その回転にブレーキをかけているのが月の引力で、潮の満ち引きが起きて、大量の水と海底の間に摩擦が生まれ、自転と逆方向の力が徐々に加わり、いまの回転速度に落ち着いたという。もし今も5時間の1日であったら、われわれの生活はどうなっているのか。
女子フィギュアスケートの金メダリスト・荒川静香選手は、演技の秒数を計るとき、口のなかで「ワン・アイスクリーム、ツー・アイスクリーム・・・」と唱えたらしい。
「ワン、ツー、スリー」では3秒に短く、引き伸ばして唱えるのも加減がむずかしい。演技の技術力だけではなく、(銀盤を舞う)第一人者にとって不可欠な知恵なのだろう。
ドイツの作家ユンガーさんは『砂時計の書』に記した。
<部屋には時計でなく、砂時計を置きたい。静かで安らかな気持ちになるから>と。
それは、時計が生活に入り込んでいなかった遠い昔へのあこがれであり、機械時計にしばられない贅沢・・・とも。
今のように時間に沿って仕事を始めて終えるのではなく、そこに現れることが仕事の始まりで、時間に遅れるという概念も希薄だったはず。
急いで物事をこなし、“決められた時間に間に合わせること”で達成感を持つ現代人は、時間に追われて失っているものがあるようだ。
職場で時間に追われる父親だけでなく、保育園や幼稚園、学校でのママ友グループもかなりお忙しそうだ。
PTAや趣味のグループで連絡をとりあう際、メールではわずらわしい。
全員のメールアドレスと電話番号を集めプリントして配り、お知らせがあるたびに一斉メールで出欠や意見を募る。そして、返信の集計に手間がかかるのだ。
LINEの グループ機能などである程度の改善はできると思うが、スケジュール調整も簡単な“連絡網アプリ”なるものがスマホなどで活用できるらしい。そのアプリで情報を共有することにより、時間短縮になるらしい。
“連絡網アプリ”の機能として、一斉連絡はもちろん、意見交換や賛否の集約、イベントの日程調整も簡単にできてしまう。カレンダーなどをメンバーで共有できる、高機能サービスもあるという。
父母会、PTAへのかかわりは人数が多く、連絡は煩雑で役員の負担も大きい。
連絡網などの無料サービスを活用することで、大きな負担減になるという。
親睦会を開く際などは、日程調整の機能を使い候補日の一覧を送る。メンバーは“参加”、“不参加”、“未定”などの項目をクリックするだけ。その結果は自動集計され、参加者の多い日が一目でわかるようになる。
アンケート機能では、意見の集約も簡単にできる。既読と未読がわかり未回答の人には催促メールを送れるのだ。
少数のお知らせと返答の集計だけならメールですむが、仕事や議論が多いなら連絡網アプリでこなす。うまく使い分ければ時間も短縮できるだろう。
私はママ友ではないので“連絡網アプリ”を必要としないが、“砂時計アプリ”があればぜひ使いたい心境である。