日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

公衆電話を知らない子供たち


職場の隣の公園にあった公衆電話が見あたらない。だいぶ前からのことだったらしい。
普段からその存在をまったく気に留めなくなったせいなのだろう。

私のマンションの下にある公衆電話の生存確認はできている。
ただ、使用している人は見ていない。たしか、数年前までは年輩の男性が利用していて、珍しさを感じた記憶はある。

作家・藤原智美さんのコラムでは、行きつけの美容室で20歳の新人アシスタントが、「公衆電話を知らない」といったのでびっくりした、とある。藤原さんの説明で、駅などで見かける“ヘンな機械”が電話だとわかり、その彼女は納得したらしい。

私も、ある公共施設の受付前の公衆電話で、途方に暮れていた小学生女子に公衆電話のかけ方を訊かれて教えたことがある。携帯電話を忘れて、家に電話をかけたい、とのことだった。

 

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日本に設置の公衆電話は、2000年に約74万台あったというが、昨春の時点で約17万台。4分の1以上も減少したことになる。設置箇所の大半は大都市だというから、見つけるのがいかにたいへんかがわかる。

2011年の東日本大地震のとき、携帯電話や固定電話を始め、他の通信インフラが途絶した状態の中で、公衆電話は力を発揮した。大災害などで回線が混み合っても優先的につながり、被災地では無料になる場合もあるという。

その時、電話ボックスに長い列ができ、電話がつながりホッとしたという人がとても多い。

昨年、行方不明になっていた埼玉県内の少女が2年ぶりに保護された。少女は公衆電話で自宅に連絡し、助けを求めたという。緊急時にこそ存在感を示す公衆電話のつなぐ命や心に感銘を受ける。それにしても、少女が公衆電話のかけ方を知っていてくれて本当によかった。

 

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パソコンが使えない若者、というネット記事などもよく見かける。

パソコン操作を習得してから机でインターネットを楽しむスタイルから、簡単操作のスマートフォンを使い、「手のひらの上でインターネットを楽しむ」スタイルに移行しているからだ。

スマートフォンタブレットは常に携帯できるデバイスなので、屋内での操作が主なパソコンより利用頻度が増え、利用時間も格段に長くなる。操作に特別なスキルを必要としない分、インターネットを使い始める年齢層も低くなっている。

Windows CE搭載のモバイル機でネットにつないだ日が懐かしい。PHSを使うも電波状態に左右された。そのときに重宝したのがグレ電と呼ばれる公衆電話であった。
ISDNを利用したデジタル公衆電話のことで、灰色(グレイ)であるところからこの名で呼ばれた。

家でも固定電話を使うことが減り、たまに子機で電話をかけようとしても、番号を先に押してしまいつながらない。それに、携帯の電話帳機能に頼りがちで、手書きの電話帳がどこにあるのかもわからない始末である。

現在の環境に慣れきっている私たちも同じで、子どもたちのことを笑ってはいられない。