日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

花見と人工知能の関係は如何に

 

「寒くないの? 半袖で」と妻。
「平気、若いから」と私。
「感じなくなっているのではないの。暑さ寒さを・・・」と再び妻。
つい先程の会話である。

花見の時期も過ぎた。
風雨に見舞われながらも、健気に残った今年の桜。その散り際は実にお見事であった。
もうだめだろうと諦めたが、土俵際で踏ん張ってくれた桜は、この世のものとは思えぬほどの咲きっぷりであった。その翌日の強風で一気に葉桜へと変身したが。

さて、昨春の大きな話題といえば、米グーグル傘下の人工知能「アルファ碁」が囲碁の世界トップ棋士に圧勝したことである。

人工知能(AI)という言葉が使われ始めて60年を超えたが、これほどまでに人工知能という言葉が飛び交ったことがあっただろうか。

 

1829

 

1回の対戦で考えられる局面の数は、囲碁の場合10の360乗になり、宇宙の原子の数より多いのだという。ちなみに、将棋は10の220乗、チェスが10の120乗である。

アルファ碁の勝因として指摘されたのが、「ディープ・ラーニング(深層学習)」だ。
コンピューターが自ら学ぶ仕組みであり、プロ棋士らの対局の約3000万盤面を読み込み、勝ちにつながるパターンを学習した。また、アルファ碁同士で対戦で、技をさらに向上させた。

コンピューターが、勝率の高い手を自分で見つけ出して選べるためにと、深層学習は、人間の脳の神経細胞のネットワークを参考にしたそうだ。

人はイヌやネコを何度か見た経験で、その目や耳、ひげなどに反応する神経細胞のネットワークが出来上がり、イヌやネコを見たらすぐに認識できるシステムを構築する。

脳科学者・茂木健一郎さんが、<お花見こそ史上最強の「脳トレ」の一つ>とコラムに書かれていた。

毎年、日本人が多大なエネルギーを注いで花見を欠かないのも、お花見が脳に良い、ということを感じ取っているのではないのだろうか・・・と。

 

1830

 

花見を成功させるためには、数多くの条件をクリアしなければならない。そのために使われる脳の回路はハンパではないらしい。

まず“桜”の咲く時期をとらえなければならない。桜前線がどのように北上し、開花はいつなのか。肝心の満開はいつのなるのか。そわそわとさせる情報が細かくチェックしながら、幹事は、お花見の開催日を決定するのである。

うまく満開の時に合えばいいが、少しでも時期がずれるとまだつぼみだったり、すっかり散ってしまったりといことになる。春の気候は変わりやすいため、当日の天気も心配だ。

その日時の計画から当日の運用まで、自然まかせという側面があり、環境のちょっとした変化に、常に目を配っていなければならない。

無事に花見当日を迎えられたとする。
誰が場所取りをして、どのようにしてお酒やおつまみを持ち寄るか。

連絡体制や雨が降ってきた時の対応も必要になる。
また、お開きはいつくらいにして、後片付けはどうするのか。
居酒屋さんで飲み会をする場合の何倍も、頭と気を駆使しなければならない。

いっそのこと、花見に関する指示をすべて人工知能にまかせられたら、楽になることだろう。“人工知能VS人間”という「花見幹事」対決ができるものなら、ぜひ実践してほしいのであるが。