日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

無礼傲慢な××賞の選考委員

 

今月の初めは若手プレイヤーによるイカしたジャズセッションを聴き、今週は吉田拓郎さんのコンサートへ行く。そして、12月には岡林信康さんの弾き語りライブのチケットもゲットした。拓郎さんは初めてだが、岡林さんとは数十年ぶりの再会になる。

思えばシンガー・ソングライターの歴史で、岡林さんから拓郎さん、そして井上陽水さんへとの流れはおもしろかった。岡林さんと拓郎さんの演奏スタイルはボブ・ディランさんの流れを感じた。それでいてふたりはまったく異質でもある。

陽水さんもハーモニカを肩から下げギター1本で歌っていたが、切ないメロディーとすばらしい歌唱力がひとつになり際立っていた。
その世代の若者たちもそうであるように、ギターを抱え彼らの歌を真似してよく歌った。

 

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感情移入が強かったのは岡林さんだ。
『チューリップのアップリケ』、『手紙』、『流れ者』、『山谷ブルース』・・・。
どれもが懐かしい曲ばかり。

拓郎さんが嫉妬したバンド「はっぴいえんど」を従え、ロックにアレンジした『私たちの望むものは』、『それで自由になったのかい』、『自由への長い旅』、『今日をこえて』もすばらしかった。

はっぴいえんど」のメンバーは、大瀧詠一さん、松本隆さん、細野晴臣さん、鈴木茂さんである。彼らの、その後の活躍をみれば、とても貴重な音源である。

岡林さんに影響を受けたアーティストには、山下達郎さん、松山千春さん、泉谷しげるさんがいる。

音楽評論家・中村とうようさんが“ディランズ・チルドレン”に掛け「岡林チルドレン」という言葉を使用した。そのことに反論した高田渡さんと激しい論争に発展したのを思い出す。飄々とした高田さんからは想像もできなかった。

日本の“フォークの神様”と祀り上げられ、岡林さんはそのキャッチフレーズに耐えかねて、4年間の農耕生活に入ることになった。そして、拓郎さんが台頭し、陽水さんが大ヒットを飛ばす。

 

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本家本元の“フォークの神様”といえばボブ・ディランさん。
その歌は単なるメッセージソングではなく、さまざまな読み取り方ができ、そこが人をひきつける。政治的に利用されることを嫌い、ディランさん自身は説明をしない。

ディランさんは「ノーベル文学賞」授賞発表後、賞について一切言及していない。
本日の新聞記事によると、沈黙を守るディランさんに対し、選考委員の一人がテレビで「無礼で傲慢だ。こんなことは前例がない」と不快感を示したそうだ。

三ツ星レストランの選考でも、上から目線のようなものを感じて、良い気分ではない。
こちらの賞でも「やっぱりな」という感じである。

ディランさんにとって、そんな賞が必要なのか。そちらの方が問題である。
ディランさんが望んでもいないのに勝手に决め、返事がないと怒る。よほどその言動の方が「無礼で傲慢」そのものである。

ディランさんもそうであるが、岡林さんにも<国家権力や政治家を徹底的に風刺した歌詞>の曲がある。『くそくらえ節』は放送禁止になった曲である。

歌詞の概要は...
ある日学校の先生が生徒の前で説教した。テストで百点取らないと立派な人にはなれまへん。くそくらえったら死んじまえ、くそくらえったら死んじまえ、この世で一番偉いのは電子計算機。