日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

置き菓子と自販機コンビニ

 

置き菓子」のオフィスグリコという会社の業績がいいと訊いた。

場所だけ貸り、お金の回収や商品の補充はすべてグリコが担う。お金の回収の不備や責任も、オフィス側には負わせない。

設置費は無料で、“リフレッシュボックス”という箱をオフィスに配置する。
1箱に10種類、計24個のお菓子が入っていて、菓子1個は税込み100円。ひとつ取ったら、箱にある貯金箱に100円を入れるだけ。

私が幼いころから慣れ親しんだ“富山の置き薬”とまったく同じシステムだ。
日本独自形態の配置販売業は、医薬品の販売業の業態のひとつである。

ボックスの引き出しは3段で、最初の補充時に1段ずつ売れ残った菓子もすべて回収し、これまでと違う新しい種類の商品を入れる。ほかの引き出しは菓子の補充をするだけだ。3週間で全く新しい商品に切り替わる。

グリコの専用スタッフが週1回、お金を回収して菓子を補充する。これがオフィスグリコの仕組みだ。補充の頻度や種類も、オフィスごとに変えているという。

 

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扱う菓子は他社メーカーの商品も加わり、年約150種類。お茶やアイスを入れられる冷凍冷蔵庫タイプもある。

60代までを対象にした独自調査で、菓子を食べる場所の1位は家庭(約70%)、次いでオフィス(約20%)だったという。オフィスには一定の菓子の需要があるようだ。

駅弁スタイルで売り始めてみたところ、よく売れた。ただし、販売できるのはお昼休憩の1時間と就業後のみと限られた。ニーズがあるとわかっても、時間制限では事業にならないと断念した。

配達や納品を理由に、時間を気にせずにオフィスに出入りできる配達業者にヒントを得て生まれたのが置き菓子スタイルだった。

“菓子を取ったらお金を入れてくれる”と顧客側を信頼し、貯金箱に鍵もかけていない。
お金の回収率は約96%。売上高約50億円で単純に比較すると、年2億円も回収できていない計算になる。未回収分は基本的にグリコが穴埋めをしている。

人目につく場所に置き直すことを提案したり、お金が必要だと明記した説明書きを置くようにしたり、と工夫を重ねる。実際にお金を理由とした撤去の事例は、これまで数件にとどまるという。

 

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自動販売機での商品売上額が世界1位の日本。かつて、飲料市場のシェアで約5割を占めていたが、コンビニなどに押され、近年は3割程度での推移だ。

その売上げも持ち直しているとか。
飲料各社では清涼飲料の新サービスを相次いで導入している。

日本コカ・コーラは、グループの自販機にスマートフォンをかざすと、購入本数が記録される専用アプリの提供を始め、15本買うと1本が無料でもらえる。他社も追随して、専用アプリを使うポイントサービスを始めた。

コンビニのファミリーマートも「自販ファミマ」オフィスを展開していて、18年春までに自動販売機での売上倍増をめざしているとか。

“無人コンビニ”として、おむすびやサンドイッチ、弁当など食品やストッキングなどの日用品まで自販機1台で最大60品まで販売し、価格は基本的に店頭と同じ。パスタやサラダ、シュークリームも扱う。商品は1日1回、昼食前に補充する。

主にオフィスや病院などの従業員用スペースや、高速道路のサービスエリアなど関東を中心に1086拠点、1520台設置している。近くにコンビニはあっても、外出するのが面倒な高層ビルでの需要が増えている。無人販売「オフィスファミマ」は、食べた分だけ料金を箱に入れてもらう仕組みだという。

モノが溢れるこの時代、同じ商品の販売も販売形態の差別化で、売れ方がまったくちがってくるのかもしれない。