日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

たまに あっさりジョークでも

 

古き良き時代のテレビ業界で、タイトルが“ん”で終わる番組は当たる、と信じられていた時期があった。まず、ロングヒットを放った『水戸黄門』が思い浮かぶ。『大岡越前』はそのために越前守の“守”を削ったとか。

“ん”にした方がいいというおまじないは、薬業界からの受け売りか? という説もある。たしかに“ん”で終わる薬はテレビ番組以上にたくさんありそうだ。

工場長に早く昇進したくて仕方がない製薬会社の副工場長は、肩書にある“副”が腹立たしくてならない。新薬に添付する説明書の草稿をチェックしているときもそうで、憎さもあり、迷わず“副”の字を削ってしまった。刷り上がった説明書にいわく、<本薬はいかなる作用もありません>と。(相原茂さん著『笑う中国人』より)。

 

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一昨年、営業や研究開発などに携わる1200人に<管理職になりたいか?>のアンケートを実施したという。“なりたい”と答えた人は、その前回調査から10ポイント以上も減り、半数に満たなかったそうだ。上司と部下の板挟みで苦労するのが目に見えているからか。そればかりでなく、終身雇用が昔話になった今、専門職はほかの企業でも通用するが、管理職はむずかしい。敬遠された理由というのがよくわかる。

野村克也さんは監督時代、日ごろ口癖のように語る言葉があった。
<勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし>。たまたま勝つことはあっても、たまたま負けることはありえない。負けるには負けるだけの原因があるのだ、と。

無理して管理職競争に勝つよりも、自分に合った目標を定めた方が、得策なように思えてしまう。

<「課長いる?」返ったこたえは「いりません!」>。
私の大好きなサラリーマン川柳にあった。今の世はとくに、“管理職はつらいよ”なのか。

 

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<ひとりで食べる飯がいちばんうまい>。
3年半前に亡くなった小沢昭一さんは語っていた。

交友の幅も広く、座談の名手であるだけに、サービス精神はひと一倍旺盛な人なのであろう。おそらく、ひとりの食事が心を解き放つ貴重な時間であったのであろう。

大学の食堂で、相席を嫌う学生が増えたと訊いたことがあるが、今はどうなのか。
テーブルをついたてで仕切るなどした“1人用席”を設ける、などとの記事を読んだ記憶がある。

ひとりもいいが、いとしい相手がいてくれればなおうれしい。
その相手からこんな手紙(メールだと味気ないから)をもらったら、どんな気持ちか。

<あくびがでるわ。いやけがさすわ。しにたいくらい。てんでたいくつ。まぬけなあなた。すべってころべ>。

あっけにとられるのはまだ早い。横書き6行の左端を縦に読んでみると<あ・い・し・て・ま・す>に変身するのだ。
詩人・谷川俊太郎さんの作で、伝統の言葉遊びの折句なのだという。