日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ネットの先にある意外な何か

 

数日前におもしろい記事を見た。
東京大の研究グループが、極薄の有機ELディスプレーを開発したという。
どれくらいの薄さかというと、皮膚に貼れるくらいなのだ。

厚さ3マイクロメートルほどのディスプレーは、人の表皮の1割ほどの薄さで、くしゃくしゃに曲げられ、手の甲などの曲面に貼れてしまう。

有機ELは、発光部の劣化を防ぐのにガラスなどで覆う必要があるため、高分子やガラスに似た材料を重ね、(水分や酸素を通しにくい)2マイクロメートル以下の保護膜を作ることに成功した、という。

センサーとつなぎ、脈拍数などを手の甲に表示することもできたり、作業現場でマニュアルを表示させるなど、幅広い応用が考えられるそうだ。そうなれば、手の甲でインターネットの検索も可能になってきそうだ。

 

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“レスキューロボドッグ”なるものを東北大などの研究チームが、国の補助金を受けて開発したという。それは、災害救助犬にGPS(全地球測位システム)やカメラを取り付け、倒壊家屋内などの状況を携帯端末で確認することができるシステムなのだ。

人間の1億倍とされる嗅覚を持つ救助犬に、ロボット技術を組み合わせて、救助活動のスピードアップを図るのが目的だ。実証実験を重ね、数年以内の実用化を目指す。

東北大らの研究チームは、東日本大震災1か月後から(ハイテク装備救助犬による)災害救助用ロボットの製作を進めていたそうだ。

大震災で余震の続くなか、二次災害の危険で捜索が難航したため、嗅覚や機動力に優れた災害救助犬の能力強化を目指したという。

犬にベストを装着するしくみで、GPSや気圧計、バッテリーなど計約1キロの重さになる。そして、小型カメラを首の下に取り付ける。その状態で、2時間ほど活動できるらしい。

 

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救助現場に入った犬の周囲の状況は随時、インターネットを通じ携帯端末やパソコンに送信され、画像や音声を確認できる。GPSにより、犬が通ったルートを地図に示すことも可能になる。人間の立ち入ることが難しい倒壊家屋や暗闇での活動に期待が持てる。

開発チームは、「日本救助犬協会」との協力で、半壊家屋やがれきの中から人を捜し出す実証実験を重ねている。

生きている人を見つけ、ほえる訓練を受けている救助犬の場合、動かなくなった人にはほえないことがある。それでも、映像で人間が確認することで、救助対象者の見落としが減るとの期待である。

また、訓練士が離れた場所で映像を見ながら、無線で指示を出すことができるような訓練も進めているという。

 

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災害救助犬は、地震や土砂崩れなどの災害で、倒壊家屋や土砂に埋もれた人を、(嗅覚を生かして)発見するよう訓練されている。

警察犬は鼻を地面に付けて手掛かりを捜すが、救助犬は大気中の浮遊臭を嗅ぎわけるため、鼻を上に向けて活動するのが特徴なのだ。

救助犬の育成は全国約40団体で行われ、協会が認定した救助犬は約120匹だという。消防や自治体と出動協定を結び、東日本大震災や、一昨年の広島土砂災害にも派遣されている。

言葉を使わない犬が伝えられない状況を、画像やデータで知ることができるという新システムのメリットは大きいはず。ロボットと救助犬の長所を組み合わせ、災害時の人命救助に貢献できるという“レスキューロボドッグ”に期待は大きい。