日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

受け取り方・憶測の違いとは

 

中国の留学生が日本の食堂に入り“力うどん”を頼んだという。
運ばれた料理をじっと見ながら<蚊は?>。

小話である。片仮名の“カ”と漢字の“力”はよく似ている。
四川、広東には“蚊の目玉のスープ”なる料理があるらしい。
本当に蚊の目玉かどうか定かではないが、客寄せの話題作りとしてはおもしろい。

<日本人は優しい。駐車場まで優しい。励ましてくれるでしょ。『前向きに』って>。
日本語を学ぶ留学生を描く実録コミックに紹介されていた。

 

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“恐れないのが詩人”で、“恐れるのが哲人”であるとか。
虞美人草』で夏目漱石さんが記している。

先が見えないほどの強い感覚にかき立てられる詩作に対し、哲人は先に結果を考え取り越し苦労ばかりするとのこと。

人工衛星を打ち上げる時のスタッフたちの気持ちは、果たして詩人、哲人のどちらなのだろうか。日本の人工衛星「あけぼの」は驚異的だ。1989年2月に地球を回る長円軌道に打ち上げられてから、2015年4月の停波日まで観測をずっと続けてきた。

身の周りの家電製品でさえ、10年や20年もほったらかしのままで動き続けるものは少ないはずだ。

 

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「あけぼの」から26年以上の間に得られたデータは膨大で、様々な宇宙の謎解明に貢献してきた。そのひとつにオーロラ出現の仕組みが挙げられる。

南北の半球のうち冬の半球側に多く出ることを、宇宙からの観測で初めて発見したという。冬半球ではオーロラが生成される高度が、6千キロメートル以下の場合に多いことがわかった。

そして、おどろくのは「あけぼの」の設計寿命が1年とされていたことである。

オーロラ観測の際は、放射線が猛烈に飛び交う場所を飛行しなくてはならないため、すぐに壊れると予想されていたらしい。

地球に近いところでは秒速10キロメートルで飛ぶ激務である。さすがに無傷とはいかなかった。電池の劣化で観測が途切れ始め、高度が下がり観測範囲が狭まった。
地球を回り続けるが、昨年で観測を止めることが決まったのだ。

 

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設計寿命1年のところ、26年以上も働き続けるタフさには憧れるが、人間ではなかなかできない芸当のようだ。

日本の人口のうち65歳以上が25%を超え、その一方で人口減は続く。少子高齢化に歯止めなく、働き手は減るばかりがこの国の実相である。

<どうして延滞金に消費税がかかるの?>。ビデオレンタル店のレジで、納得できない人もいるとか。客は返却の遅れという過ちを悔やみつつ、罰金と誤解する人もいる。

延長分の利用料とすれば筋は通るのだが、“過失に課税”と不審がることがあって不思議ではない。消費税率が8%になり、国民の義務という枷や、納税の実感を強くした方は多いかもしれない。

リーマンショックや東北大震災のような重大な事態が起きない限り、消費税10%への増税を期限どおりに実施する>と言い切っていたこの国の首相。まるで災害が交換条件のようにも受け取れるのである。“縁起の悪い物言い”だと、ずっと気になっていた。

今、熊本で大地震が起きている。被害はどんどん拡大している。被害者の方たちも気にかかる。これだけの被災状況を見て首相はなにを思うのだろう。