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日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

死語のアベックにも歴史あり

 

“カップル(英語: couple)”の意味を調べたら、<一対の存在のこと。人や物の中で、同種だと見なされ、一緒になっていると見なされているもの。特に、夫婦関係や恋愛関係の二人のこと>と出た。

“アベック(フランス語: avec)”では、<「…とともに、の意」であり、男女の二人連れ。二人または二つのものが行動をともにすること>だそうだ。そして、カップルと類語である。

カタカナの外来語というと、先端の流行語のイメージであるが、すたれて使われなくなるものも多い。アベックは、大正末期に出現した和製フランス語なのだという。
そして、第2次大戦を挟んで使われてきたが、1990年代になると、古めかしい語感になっていたそうだ。

 

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マイナビウーマン」というサイトで、昨年7月におもしろいアンケートをしていた。
<(使うと恥ずかしい)年代を感じる昭和な名詞>という内容のもので、調査数は男性129名、女性259名にて行われ、その結果は以下のとおりになった。

<1位 アベック(カップル) 29.6%、 2位 乳母車(ベビーカー) 22.9% 、3位 パーマ屋(美容院、ヘアサロン) 21.9% 、4位 メリケン粉(小麦粉) 18.6% 、5位 国鉄(JR) 14.2%>。

この下にある写真は、カップルの多い“ひまわり祭り”で撮影したものである。高齢の男性が女性の写真を片手にひまわりの写真を熱心に撮っておられた。

勝手な想像で恐縮するが、亡くなられた奥様なのではないかと感じた。この季節になると、ひまわりの好きな奥様とご一緒に、この地を何度も訪れたのではあるまいか。
そのお姿を想像すると、カップルではなくやはりアベックに思えてしまう。

 

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アベックという言葉は、2000年以降にも新聞記事で目にすることがあった。北朝鮮による拉致に関する報道のときにである。

1978年夏に起きた“アベック失踪事件”は、多数のアベックが行方不明となった一連の事件のことである。それが、拉致事件に結び付くことになるのだが、断定にいたるまでには国内でのもたつきもあり、かなりの時間を要したように記憶している。

もちろん、今も進展がまったくないままである。
拉致事件のあった当時は、アベックがまだ一般的に使われていたため、警察発表の事件名にも「アベック不明事件」などと使用されている。

40~50年前の紙面には、労使や、異なる省庁同士が、ある目的に向けて協力することに対して“アベック闘争”という言い方も出てきた。

ソ連がウォストーク(ボストーク)3号、4号を続けて打ち上げたときは、“宇宙船アベック飛行”と騒がれた。プロ野球ではなんといっても“ON(王さんと長嶋さん)のアベックホームラン”が印象に熱い。

 

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今はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で、男女の出会いや付き合い方も変わってきたとよくいわれる。

イベントなどで異性と知り合えても、気を使って疲れるのだという。相手の嫌がることを聞かないようにと手探りで会話するのが面倒で、同性の友達と過ごす時間と比べてしまいそれきり会わなくなるケースもあるらしい。

定期的にインターネットのビデオ通話サービスで連絡を取り、パソコンの画面に映る友達どうしで、長時間お酒を飲みながら話す。一人暮らしでも、寂しくはないそうだ。

私も何度かスカイプで似たようなことを体験しているが、それはまったくのものぐさだからなのである。やはり、いっしょに会ってにぎやかに飲んだ方が楽しいという気持ちは変わらない。

 

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ある結婚相談所の調査(2011年)では、20~30代の恋人のいない割合は男性75%、女性65%で、5年前の調査より男女とも10ポイント以上増加しているのだという。

内閣府の14年度「結婚・家族形成に関する意識調査」では、20~30代で恋人のいない人のうち38%は「恋人は不要」と答えたそうだ。不要な理由の半数近くが「恋愛が面倒」だったとも。

もっとも、人の考えはそれぞれちがうだろうし、自分がその年代のときも同様な調査で的外れだと思うようなことは多かった。

<若者たちは、SNSで常に友達とつながった『ソーシャルメディア村社会』に生きている。
昔の若者にはあった『恋人がほしい』ともだえるような、暇や孤独感がない。恋愛をして失敗したらたちまちうわさが広まり、『村』での居心地が悪くなってしまう。周囲との調和が大事で、恋愛に積極的にはならない>。

こう唱えるのは、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんである。
SNSに関して、私はまったく詳しくないためおどろく。

複数の人と同時にコミュニケーションが取れるため、<流れていく会話の中にいる方が心地いい>というのはわかる。反面、1対1で仲良くなるための会話はハードルが高く、恋愛が煩わしくなるそうなのだ。

恋愛には枷(かせ)が付き物であると思うが、逆に枷がなくなっていることが枷になっているのかもしれない。なにはともあれ、“カップル”という言葉の歴史が、この先どのように変わるのか興味深い。

 

 

今週のお題特別編「はてなブログ フォトコンテスト 2015夏」

 

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