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日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ひょうひょう人に強い憧憬が

人間

 

自分のエントリで何度か書いているが、私は飄々(ひょうひょう)としている人に興味がある。飄々とした役をこなす役者さんや、バラエティの方たちも、知らないうちに見入ってしまうのである。

何度も観ていたくなるコントの名手といえば、アンジャッシュのおふたりである。初めてみたときから釘付けで、機会があれば必ず観てしまう。『エンタの神様』という番組では90本近くのコントをこなしているという。

ネタも色々あるが、なんといっても“勘違いネタ”にハマってしまう。同じネタを何度も観ているのにまったく飽きない。起承転結の中で「承」の部分の盛り上げが抜群なため、結果がわかっていても毎回楽しめるのである。まるで、名作古典落語のようだ。

最近はネタをやる機会が減り、個々のご活躍が増えているが、渡部さんと児嶋さんは今も(原点である)ファミレスで、ネタ作りをされていると言っていた。おかげで、これからも楽しませていただけそうである。

 

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年輩の方はご存知だと思われるが、松村達雄さんという名優がいらっしゃる。
10年前に90歳で亡くなられたが、映画、テレビ、舞台などで数多くの作品に出演され大活躍であった。

主役はどなたでも、松村さんが出ている作品なら必ず観るようにしていた。主役より松村さんを観る方が先に立つのである。芝居の主役を照らすロウソクの炎として、渋い名脇役は実に飄々とされていた。

どですかでん』、『まあだだよ』と、黒澤明監督の作品にも出演され、『まあだだよ』では主役の内田百閒を見事に演じた。

 

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また、数多くの作品のうちで、映画『男はつらいよ』シリーズだけにしぼっても、二代目“おいちゃん”を5作演じたと思いきや、その他の役で6作も登場されている。

それぞれの役柄は、女好きの医者、仲人、高校の先生、お坊さん、大学教授、医者と多種多才なのである。

松村達夫さんが40代の頃、主宰する劇団が借金にまみれてつぶれたそうである。一足の靴下もなく、見かねた税務署員がソバをごちそうしてくれたという。

「うだつのあがらない作家や、酔っぱらいの医者など崩れたインテリを魅力的に演じて、これほどぴったりの人はいなかった」と、寅さん生みの親の山田洋次監督が語っている。

 

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教育家・僧侶の無着成恭(むちゃく せいきょう)さんも素晴らしき飄々人である。
生活綴り方の代表的な文集『山びこ学校』と『全国こども電話相談室』の回答者などを務めた。山形県生れで、なまりのある優しい語り口が忘れられない。ラジオ番組『全国こども電話相談室』は大人も楽しみに聴取していた。

各界の専門家などの回答者が、子どもたちの素朴ながらも深い質問に、直接答えるスタイルが印象深い。28年間にわたりレギュラー回答者を務めた無着成恭先生の回答は、伝説的になっているようだ。

<宇宙とあの世はどっちが遠いんですか?>との質問に、「あの世は1度行ったら帰って来られないが、宇宙からは帰ってこられますよね? ですから宇宙のほうが近いんですよ」と即答。

<宇宙人はなにを食べているの?>とくれば、「宇宙人はねぇ、宇宙食を食べてるのよねぇ」とあっさりと答えてしまう。

また無着成恭先生は下ネタにも強いらしく、<担任の男の先生がスケベで困ります>という女の子の質問にもスラスラと「人間はスケベじゃないと滅亡してしまうんだよ。だからスケベでいいんだよ」と答えたそうである。
ただ、この時代はどうか知らぬが、今だとお答えを鵜呑みにしない方がよろしいかもしれぬ。

 

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「山びこ学校」の無着成恭さんは子どもたちに<ノートに書いたことは消しゴムで消してはいけない>と教えたという。

「消さずに赤鉛筆でバツをつけなさい」と言うのである。消しゴムで消してしまうと、自分ははじめにどういう考え方をしたか、どういうまちがいをしたかが分からなくなるからなのである。そして、消しゴムで消す人は同じ間違いを何度でも繰り返す。

耳を傾けるべきは教室の子どもたちばかりとは限らない。
<不祥事を消しゴムで「なかったこと」にすれば、自分の信用を自分で「消し去る」ことになる>。そのことに気が付いているかどうか、不祥事はいつの世も後を絶たない。

とくに国民の税金を自由に使える身の御仁には、<わが身に一つひとつ、赤鉛筆で丹念にバツをつけて>いってもらいたいものである。

 

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