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日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「よけい」を排除ということは

乗り物・交通

 

ふだんの物忘れはよくある。冷蔵庫へ向かい扉をあける。はてさて、私はいったいなんでここに立っているのか。わからないので、リビングの元位置へ座りなおして気がつく。<缶ビールを取りに行ったのであった>と。

周囲の人が驚くほどだったのが、詩人・西脇順三郎さんの健忘ぶりだとか。
「会はどちらで?」「それが、はっきりしないのだ」。
タクシーに乗った後、行き先が思い出せない。上野や銀座を回った末、自宅に戻ったことがあったという。

西脇さんが<宝石箱をひっくり返したような朝・・・>といった名詩句をつくれたのは、よけいなことを忘れて頭の中がきれいさっぱり片づいていたからと、評論家の外山滋比古さんは回想する。

かの長嶋さんの現役時代、試合の熱さを整理しつつ車で帰宅すると、幼い一茂さんを球場に置き忘れたことに気がついた。球団関係者が無事に送りとどけたそうであるが、このエピソードも感激的だ。

 

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日本語には母音が連続するのを嫌う性質があるという。
荒波の打ち寄せる海岸を「荒磯」と書いて「ありそ」と読む。ARAISOのAが脱落してARISOとなったそうだ。

今も甲子園(高校野球)で聴かれるかどうか。私の大好きな楽曲に『紅(くれない)』がある。
この言葉も呉の藍(KURENOAI)が変化した言葉であり、連続する母音の“O”を省いてある。

大活躍中のテニスの錦織圭選手の姓もNISHIKIORIでなくNISHIKORIと読む。こちらも母音脱落現象によるものらしい。

このように、言葉の中でも(自然にか意図的にかはわからぬが)、<母音の連続という“よけい意識”を排除して>すっきりとさせる流れがあったというのは興味深い。

 

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いかりや長介さんの著書『だめだこりゃ』によると、結成間もないドリフターズが放送局との会議にのぞんだとき、高木ブーさんが大いびきを響かせ、怒りを買い仕事を逃したという。

その後、ブーさんは稽古中だって、カクンと眠ってしまう。
<ブーちゃんはダメ人間って自分を責めていただろう>といかりやさん。
このリーダーの仕事の厳しさは有名だが、「だめだこりゃ」は愛情表現の一つだったのかもしれない。そして、この言葉がギャグとして使われた。

ブーさんが睡眠時無呼吸症候群と分かったのは、黄金期をとうに過ぎてからだとか。
昨年の3月に起きた北陸道のバス事故で居眠りをしたらしい運転手(死亡)は、高木さんと同じ病気を「要経過観察」とされながら、事故まで11日も連続で業務に就いていた。

本年の3月には、京都市バスの男性運転手が乗務中に失神し、異変に気づいた男性乗客がサイドブレーキをかけてバスを止めていたという。こちらは乗客の機転でけが人の出なかったことが幸いであるが、ひとつまちがえたらたいへんなことになっていたはず。

 

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調べてみると、自動ブレーキが有名になったのは5年ほど前。富士重工が主力の「レガシィ」に現在の「アイサイト」を搭載したとあった。人間の目と同じように二つのカメラが、前を走る自動車をとらえ、衝突しそうになったら自動でブレーキが働く仕組みだ。

なんとすばらしいシステムなのだろう。実用として使えるのであれば、上述のような痛ましい事故がどれだけ減るのか。

アイサイトを搭載したモデルの国内販売台数は累計で30万台を超え、14年度に国内で発売した乗用車の約8割に搭載された。技術の進歩で単価が安くなり、最近はオプションで5万円台のケースもある。

さらに、安全技術を求めるドライバーのニーズが重なり、販売店では自動ブレーキに関する問い合わせが増えている。高齢ドライバーのために、子どもが注文する例もあるという。まさに願ったり叶ったりの技術らしい。

 

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たしかに最近のCMでも、自動ブレーキで各社が競っているようだ。
14年4月の消費税率引き上げ以降、新車市場は冷え込んだまま。14年度の新車販売台数は前年度を6.9%下回り、リーマン・ショックがあった08年度以来の落ち込みとなっているそうな。

ハイブリッドとならぶ未来向けの自動ブレーキ技術は、販売増に向けての期待が大きい。
今のところどこを見てもいいことばかりなのであるが、私は妙な危機感も感じる。

車にかぎらずどんな乗り物でも、なにより大切なものはブレーキであろう。そのブレーキが<まるで「よけい」なもの>であるがごとく、「車が自動的に処理をしてくれる」ようなふれこみだからなのである。

自動ブレーキだからと購入客が安心して、ブレーキ処理を怠り事故が起きても、メーカーが最後までめんどうを見てくれることなどありえないはず。
<一番必要としなければならないモノを「よけい」なものと錯覚させる>ことだけは、納得がいかない。

あくまでも補助的で<運転手が急な意識不明に陥ったとき、確実に停車させてくれる機能>としては大いに期待もしているが。

このゴールデンウィークも運転にはくれぐれも気をつけたい。

 

今週のお題は「ゴールデンウィーク2015」

今週のお題は「ゴールデンウィーク2015」

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