日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

世間のルールは肌で感じよう

 

<歯を食いしばれ! グーがいいか? パーがいいか? それともチョキがいいか?>

うっわぁ~!! これって軍隊じゃん、と思いきや、今は日常に交わされる家庭内の会話らしい。腕白小僧を持つママたちが、いたずらした子どもを直立不動にさせて、こう叫ぶとか。

ちなみに、“グー”と“パー”は理解できるのであるが、“チョキ”とは何ぞや? と思い尋ねてみたら、なんと「目つぶし」のことなのだという。
もちろん実際行わないことを願うが、叱り方の演出にも時代の流れがあるのを知って微笑ましさを感じた。

 

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かつて、化粧品業界ではCMに使うキャンペーンソング次第で、化粧品の売り上げが変わるという時代があった。曲の人気度が商品の売り上げを左右するということもあり、特に資生堂カネボウの対決から世に出たヒット曲は多い。

代表例としては、資生堂から矢沢永吉さんの『時間よ止まれ』やツイストの『燃えろいい女』。一方カネボウからは、サーカスの『ミスター・サマータイム』と松田聖子さんの『ロックン・ルージュ』などがあげられる。

こんなエピソードもある。銀行員が本業の小椋佳さんの元へ、ある日CM依頼が入った。それまでCMソングはすべて断っていたが、銀行との取引関係の都合上受けざるを得なかった。そこで生まれたのが『ゆれるまなざし』で大ヒットした。そして、資生堂のCMに使われた。

後日、小椋さんは、得意先の資生堂担当者と会いお話を訊いて愕然とした。そのCM商品の売り上げはよくなかったということである。「あなたの曲だけが大ヒットで本当によかった」とさんざん嫌味を言われたとか。小椋佳さんが苦笑いしながら語っていた。

新製品の度に資生堂カネボウの営業マンはハラハラしながら、どちらの歌の順位が上かと歌番組をのぞき込んだようだ。商品そのものよりも、<キャンペーンソングという演出で売り上げが大きく変わる>という古き良き時代であった。

 

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以前、神奈川県大和市にあった職場近くで、昼食にと通っていた食堂がある。
そこの娘さんが歌手デビューして、歌が急にヒットしたことがあった。
『一円玉の旅がらす』という曲である。なんで流行ったのかふしぎであったが、そこには理由(わけ)があった。

前年に、日本初の消費税3%が導入されて、それまで必要価値の低かった一円玉の需要が急増したためである。仕事で現金を扱うことの多かった私も、一円玉に苦労をした。また、一円玉ばかりではなく、1円切手にも出番が多く回ってきて、補充が追いつかず売り切れの貼り紙をする郵便局も出た。

しかし、一円玉も1円切手も再び地味な存在に戻る時期がきた。消費増税で3%から5%へと変わり、1円単位の端数が激減したためであった。このときは、消費税絡みのヒット曲が世に出たという記憶はない。

先日のニュースで、8%増税後は予想に反して流通量が増えなかったため、一円玉の発行数を半減すると伝えていた。

 

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2017年4月の消費税10パーセントも決定した。
この時期と、消費税率3%や5%の頃では、世相も大きく変わってきている。
新社会人たちは、この一週間の実務でどのような感想を持たれたであろうか。

旧社会人の私は、仕事に慣れるより帰り道の居酒屋に慣れる方が早かった。
<入社して初めて上司に叱責された場所は居酒屋>という方もいらっしゃると思う。
私は飲む方が先で、うまくスルーできたのであるが、飲み始めてすぐに丼物などを頼むと、上司からのカミナリが落ちてくる。

「好きな物を頼め!」と気前よく言われたのを真に受け、酒やつまみ以外の料理を注文してしまうと、気持よく酔おうとしている相手がしらけてしまう。そのことに気が付かないからのカミナリなのである。しかし、上司も本気で怒っているわけではなく、職場へのお仲間認定の演出である。今はそういう上司も少なくなっているのだろうか。ましてや、奢(おご)ることもいっさいないかもしれぬ。

 

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世間のルールは頭で考えているだけではわかりにくい。矛盾だらけに感じることも多いだろう。それでも、戸惑いながら職場になじんでいく。

また消費増税と重なったこの時期は、何かと苦労が増えるかもしれない。それでも、<日本経済を立て直す変わり目>にめぐり合わせたと、前向きに考えてみることもできる。

<叱責も挫折も揚力に変える心身の軽やかさ>が若い人の特権であるとか。要約すれば「打たれ強さ」ともいえる。まずは、それぞれのルールを肌で感じられるように、自らの意識を磨いておくことも、必要なのではないだろうか。

 

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