日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

CSの下剋上がすごいことになっているではないか

 

2004年から2006年の3シーズンの間、プロ野球パシフィック・リーグではシーズン上位3球団によるトーナメント方式のプレーオフ制度が実施されていた。その間、レギュラーシーズンで2度1位になったソフトバンクが、プレーオフで敗退して日本シリーズに出られなかった。

その方式が受け継がれ、2007年からセリーグもいっしょに導入したのが、今のクライマックスシリーズ(以後CS)である。上記プレーオフ制度発足時から今でも、私は納得できない。CSに名を変えてからでも、ソフトバンクはこの短期決戦のために、日本シリーズ出場が何度も閉ざされたからである。

セリーグでは、CSで毎回 苦い思いをしてきたのが阪神である。
昨季までのCS通算成績は1勝8敗であった。リーグ2位であっても、ファーストステージで3位チームに破れ、ファイナルステージに上がることがまったくなかった。

このCSさえなければ、ソフトバンク阪神も、日本シリーズへの道がこれほどまでに遠ざかることはなかったかもしれない。

その阪神が、昨夜(10/17)の時点で、5勝8敗1分にまで成績を上げた。
リーグ3位の広島に1勝1分け。そして、リーグ優勝の巨人に対して、3連続勝利の王手をかけている。この3勝も巨人に圧倒的な力の差を見せつけ、神がかっているようにさえ感じる。気は早いが、1985年の日本一をさえ彷彿させられる。

 

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以前に書いた『勝ち抜くための「弱者救済システム」はもういらない』という記事でもふれたが、他のスポーツ界をみても、こんな「弱者救済システム」など存在しないのではないか。リーグ戦で順位が決定した後に、再挑戦をさせる神経がわからない。

なぜまた短期決戦のCSで優勝争いをやり直さなければならないのだろう。
優勝チームからみれば迷惑このうえないだろう。
春から秋への長期間、死闘を繰り広げながらやっと得られるリーグ優勝。
その土台があればこその、日本一決戦(日本シリーズ)への挑戦権獲得なのだから。

その考えは変わらぬが、阪神という球団にはなんとしてでもこのCSで見返してほしいという気持ちが強くなっている。

 

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オリンピックの選手たちは、4年に一度の厳しいチャンスに勝ち進み、やっとメダルを手にできる。メダルが得られても、金に届かず涙を流す選手もいるだろう。
どのような結果であってもやり直しはきかない。また、4年の年月を精進して次にかけるしかないのである。

さて、日本のプロ野球はどうだろう。たった6チームずつの2リーグ制。両リーグとも6チーム中3チームに日本一挑戦権が与えられる。合わせて12チーム中で6チームもである。

<リーグ戦で優勝できなくても3位に入ればいいのだ>と、甘い精神構造が各チームにどんどん蔓延してしまう状況でもある。こんな体質はCS導入前のプロ野球にもなかったはず。
「弱者救済システム」を早く見捨てない限り、プロ野球はスポーツ界から除外されてしまうのではないだろうか。そこまで忌み嫌うCSなのであるが、今季ばかりはとても愉快でたまらない。

 

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セリーグで、リーグ優勝チームがCS敗退したのは、2007年の巨人だけである。
破った中日はその後日本一に輝いた。今季もこの再来が起きる可能性は大きくなっている。

また、過去のCSにおいて3連敗という大ピンチをはね飛ばした経験があるのも巨人である。2012年の中日とのファイナルステージで、今と同じくリーグ優勝のアドバンテージ1勝がありながら、初戦から3連敗。しかしその後、怒涛の3連勝でファイナルステージ突破、日本シリーズ進出を果たした。

勝負事はなにが起きるかわからない。
経験があるといっても、巨人の逆転は奇跡かもしれぬ。
阪神にとっても、未知のCS初突破である。熱狂的なファンが<狐につままれたような>心境に陥っているくらいだ。
今季のセリーグのCSは、どちらが勝ってもすごいことなのである。

 

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<侍の先頭に立つ二刀流>(二宮茂男さん・作)
最近の新聞に載っていた時事川柳である。

もちろん日本ハムの大谷選手が題材であろう。
大谷選手が二刀流の武蔵なら、さしずめ阪神の藤浪選手は佐々木小次郎か。
同い歳の(日本一をかけた)若武者対決を観てみたくてたまらない。

4タテの確率がすごく高くなっている阪神と、昨夜は12点を奪って大勝した日本ハム
果たして今夜の結果はどうなることやら。
今からハラハラドキドキである。