日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

酒癖が良すぎるのも考えものである

 

今年も忘年会シーズンに突入した。そのままクリスマス、新年会と続き、酒の席が多くなる時期である。ふだん飲み歩かない方も、お付き会いで酔っ払うことが重なりそうである。

好景気で浮かれている頃、終電近くの電車は酔っ払いだらけであった。駅のトイレに行列ができていて、さまざまな酔っ払いを見学できた。笑い上戸、泣き上戸は楽しいのであるが、目のすわった怒り上戸はやっかいである。

 

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私はというと、自分で言うのもおこがましいが、誉め上戸で酒癖がとても良い。お酒が入るとマメになり、素面(しらふ)でできないことが、スラスラとできてしまう。

どんなに嫌な人間と飲んでも、(素面のときに)嫌だと思う感情が消え失せ、その人の良いところしか見えてこない。アルコールが入ると、左脳が休憩して、(遊びたがりの)右脳が働き始めるような感覚なのである。もしかして、そのようなシステムが、私に組み込まれているのであろうか。

 

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かつて勤めていた会社に、酒癖の悪い四天王がいた。4人とも酒の席で絡んだり、駄々をこねたり、ケンカをしたり、と いくつものエピソードを残していて、他の社員からは飲み会での同席を煙たがられていた。

四天王は、それぞれが地域のちがう営業所に勤務していて、4人一緒に会うことは少なかった。

 

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私が本社に転勤になったとき、この4人と個々に飲む機会ができた。もちろん、彼らの噂は聞いていたが、私とふたりで飲むときは、それぞれがうれしそうな顔で、いろいろな話を楽しみながら飲んでいた。それなのに、他の人間が混ざると、そちらと口ゲンカになったり、胸倉をつかもうとしてしまう。そして、ますます嫌われていく。

私が、その4人と個々に飲んでいるのを知って、「よく一緒に飲めるね」と、他の者たちは不思議がっていた。そういう声を聞いているうち、私に妙案が浮かんだ。

 

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悪名高いこの4人と、まとめて飲み会をやったらどうなるのだろうか。それまでも、いろいろな局面での酒宴を多く体験しているが、自分以外のすべてが、癖の悪い酒飲みというのは初めてのことだった。会議などで4人が本社を訪れるような機会を見計らって、一緒に飲みに行く手配をさっそくとってみた。この4人以外の他の者が入ると、必ず一悶着あるのは百も承知。四天王だけだということに意義がある。

 

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そして、私を含めた5人の宴席のときがやってきた。

結果、なにも起こらなかった。というよりも、こんなに和やかな宴会というのは、なかなかお目にかかれるものではなかった。それにしても不思議である。酒癖の悪い者同志だから、ぶつかる可能性がはるかに大きいと思いきや、癖の悪い者同志でおたがいを理解し合えているのである。「毒には毒をもって制す」というのは、こういうことだったのか。

 

このことがあってから、四天王たちの私を見る目が変わってきた。仕事での頼み事は、私を最優先にしてくれるようになり、助かるのであるが、それぞれが用事で本社に来るたびに、(一緒に飲み行くのを楽しみにして)私を待ち伏せしているのであった。中には、仕事中の私にウインクを投げかける者もいた。酒癖の悪いときの彼らには、こちらから飲みに誘っていたのだが、酒癖の良い彼らに誘われると、思わず一歩引いてしまう私であった。

 

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