日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

男心は摩訶不思議

 

私はミッツ・マングローブさんとマツコ・デラックスさんが大好きである。
最近は共演シーンを見なくなったが、ふたりのやりとりを見ているだけで、終始笑い転げてしまう。ふたりとも「男好き」を公言して憚らないが、女性には本当に興味がないのであろうか。
さて十数年前、私は若い飲み友達とふたりでさんざん飲み歩いた。『気の合うお相手は』にも登場の彼である。

彼は一滴も酒を飲めなかったのに、私と飲むのが楽しいと大酒飲みになった。その熱中ぶりは、当時婚約中の彼女がいたのに別れるほどであった。私は何度も忠告したが、それでも後をくっついてきて離れない。とはいっても、彼は女性が好きであった。

 

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とんちんかんなトークで女性を笑わせ、居酒屋のおばちゃんや、アルバイト店員の女の子にもよくもてた。バブル後ではあったが、居酒屋は繁盛して席をとるのがたいへんであった。そんなときは、彼の魅力?のおかげで、店のおばちゃんに席をうまく融通してもらったり、彼に惚れたアルバイト店員の女の子が、伝票をつけずに生ビールを何杯か持ってきてくれて、私も恩恵にあずかっていたのだが。

そんなある日、いい店を見つけたとのことで、私は彼に引っ張っていかれた。タクシーで
向かう途中、「いい子たちがいるんですよ」と彼は大はしゃぎ。
その店は彼の家の近所にある、大衆向けの小料理屋であった。店に入ると威勢のいい声で出迎えられた。
彼と並んでカウンターに座ると、さわやかで愛想のいい若者がふたりいた。どちらも二十歳前後であろうか、地方から出てきたばかりの純朴な青年である。屈託のない笑顔とテンポのいい会話で客を飽きさせない。

 

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私の若き友人とはすっかり親しくなっていて、彼のかわいい弟分がふたり、という感じである。私も彼らに好感を持って楽しく飲んだ。兄貴分になって気をよくしたのか、彼はひとりで弟分たちが待つ店に通いつめた。
それからしばらくして、彼はいつものように例の店に行ったら、衝撃的な事実を知ったというのだ。
その日は、弟分たちの待つ店が満席だったので、隣の飲み屋さんで待機していたとのこと。隣の店のママさんに、彼は弟分のことを自慢していたら。ママさんはあきれた顔で言ったそうだ。
「あなた知らなかったの!? あの子たち女の子なのよ」
彼ら...もとい、彼女らはいわゆる「オナベ」だったのである。

 

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彼はすっかり落ち込んでしまった。
私からみれば、彼は大の女好きなのだから、かえって女の子でよかったではないか。と思うのだが、彼にとってはそういうものでもないらしい。とにかくあの店にもう一度いっしょに行ってほしい、と彼。

そのときの店内のあの雰囲気は忘れられない。弟分のはずの彼女たちは一生懸命に謝るのだが、肝心の彼はしどろもどろでなにを言っているのかさっぱりわからない。
それまでは(弟分のはずだった)ふたりを相手に、軽快なトークで盛り上っていたのに。
女の子のいる店では、女の子を相手にエンドレスなトークをさんざん炸裂させている。
なのにどうして、女の子を男の子と勘違いして、女の子だとわかったとたんに、しどろもどろになるのかふしぎでならなかった。
ふつうの人ならわからなくもないが、あれほど自由奔放な男がいったいなぜ!?

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