日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

言うものは知らず 知るものは言わず

 

私の好きな言葉のひとつに『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』というのがある。早川義夫さんというシンガーソングライターの方が、ジャックスというバンドを解散後に出した、ソロアルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』からの言葉である。早川さんは名曲『サルビアの花』の作曲で有名なのであるが、(このアルバムも含めて)他の曲はラジオで聴いた程度でよくわからない。

次第に音楽の仕事から離れ、川崎市内(神奈川県)に書店を開店したそうだ。私がこの言葉と出会ったのはちょうどその頃で、名前だけは知っている程度だった。

 

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それともうひとつ、『言うものは知らず、知るものは言わず。』という言葉も好きである。その意味は見てのとおりで、「知る」を「識る」に変えてもいいだろう。

「物事をよく知り抜いている人はみだりに口に出して言わないが、よく知らぬ者はかえって軽々しくしゃべるものである」とのこと。

この言葉は私がずーっと若い頃に、人生の大先輩から教わった。この言葉をネット検索してみたら『知る者は言わず、言う者は知らず。』が正しいようで、私の勘違いで逆に覚えてしまったようだ。ただし、『言うものは知らず、知るものは言わず。』では、早川さんの2枚組ライブアルバム名で検索ヒットした。そのことはまったく知らなかったので、(私の好きな)ふたつの言葉が早川さんで結びついたことにビックリである。

 

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さて、知ったかぶりはまだ可愛げがあるが、自分だけがわかっているつもりで、ウンチクをひけらかす御仁には閉口してしまう。いっしょに酒を飲んでも、酒の種類がどうのこうの、飲み方がどうのと始まるとキリがない。そういう人にかぎって、さんざん言いたいことを言って、さっさと酔いつぶれて寝てしまう。肝心要の酒の味もさっぱりわかっていなかったりと。

 

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逆に、ネットで知り合った、バーテンダー経験のある方などは、いっしょに飲んでいても酒の知識自慢はいっさい言わない。まさに「知る者言わず」である。今はよく飲んでいるワインであるが、ワインを避けていた時期に、その方からさりげなく教えていただいた、ワイングラスの持ち方を今も守っている。最近は、なかなかお会いできていないが、ワイングラスを見るたびにその方を思い出している。

実社会やネットでも、この「忘れられないふたつの言葉」をポイントに人を見ているとおもしろい。とはいえ自分でも、かっこをつけて、知っていることはしゃべりたい、という気持ちは出てきそうだ。自分で注意しなければいけないし、長年の飲み仲間が酔って何度も同じ話を繰り返したら、初めて聞くように耳を傾けたりもする。

 

そういえば、長年さんざん飲み歩いていた、かつての上司を思い出す。いつものように飲んでいたときである。好きな音楽について話していたときだっただろうか、

「昔、武道館ですごいコンサートに行ったよ」と上司が切り出した。

 初めて聞く話なので、私も興味を持った。

「えーっと、なんていったかな。外国から来たグループでさぁ・・・」

いつもカラオケでは懐メロ専門の上司なので、洋楽との接点が思い浮かばない。しばらく考えても、上司からグループ名が出てこない。そのとき、私は咄嗟にひらめいた。

そして、

「それって、まさかビートルズではないですよね」とおもむろに尋ねた。

「おお! そうそうそう、ビートルズだよ!!」と上司。

まさか私のまわりに、あの幻の日本公演へ行ったという人がいたとは。そして、それが20年近く、さんざん飲み歩いている目の前の上司だったとは。

ビートルズをよく知らないのなら、もっと早くから自慢して教えてくれればよかったのに。

 

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