日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

天然色への誘(いざな)い

この記事のタイトルはぜったいに『天然色写真を写してみんさい』にしようと思っていた。念のためにネットで調べてみると、残念ながら、4年前にどこかのブログで使われていた。40年も前のフレーズを、同じように頭に浮かべているということで、(記事の内容はまったくちがうが)先に書かれた方との不思議な縁を感じる。そもそも、3日前のエントリ『尾花の簪』に書くつもりであったが、話が二分化しそうなのでやめた。

 

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吉田拓郎さんの『旅の宿』にある「♪~~妙に色っぽいね」のフレーズからの連想で、ある曲が頭に浮かんだ。「♪ 色っぽいということは えーことなんよ~」で始まる、フジカラーのCMソングである。拓郎さんの曲である。

そして、その続きの中に出てくるのが「♪ 天然色写真を写してみんさい~~」なのである。「天然色」なるものが、とても印象深い言葉に感じられる。その意味は、「万物が自然に備えている色。自然の色彩。」ということらしいが、いつの時代にどのように使われていたのか気になる。

 

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私の知る範囲での使われ方としては、1950年代の映画のポスターであろうか。もちろん、リアルタイムでは知らないが、ポスターの右下あたりに「総天然色」なる文字が、これ見よがしに貼りついていた。その後は「天然色」がどのように使われていたのかわからない。

カラーテレビの普及は1964年の東京オリンピック以降と聞いたことがある。余談であるが、この開会式の日を記念して、今週のお題でもある「スポーツの秋」を象徴する体育の日が誕生したのは有名な話である。さて、カラーテレビは一般家庭に普及していったが、天然色テレビという呼ばれ方はしていなかった。

 

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そのCM曲が流れた時代は1970年代前半。カラー写真が一般に普及していったのは、大阪万博(1970年)がきっかけらしいので、カラー写真流通の創生期と時期が一致する。 やはりそのときも、天然色写真ではなく、カラー写真である。

では、拓郎さんはなぜ「天然色」を使ったのか。古き良き時代の言葉が新鮮であると感じて、若者ウケを狙ったのかもしれない。そして、1980代年には大滝詠一さんが『君は天然色』という曲を歌っていたが、その後は私も忘れかけていた。

話は変わるが、10月に入って半ばに向かう今、各地では真夏日になったり、猛暑日の所もある。桜の花まで咲いたと、テレビに映し出されていた。

この異常気候のせいなのか、例年ではきれいに色が変わる銀杏やモミジの葉が、紅葉シーズンを前にして枯れ始めているとか。はたして、昨年までの天然色がうまく訪れてくれるのか。それとも、まったく新しい天然色をみることになるのか。まだ、よくわからない。