デバイスと端末
この数年、デバイスという言葉がよく使われているが、 コンピューター関連では昔から裏方的に使われていた。わかりやすい意味としては、システムの中で特定の機能を果たす周辺装置とか、道具という役割であろうか。
それが、スマホやタブレットの人気で、そういった機器の総称にデバイスという言葉を使われることが多くなっている。 私からみれば 、 それらのすべてが端末に思えて、 デバイスと呼ばれることに違和感があった。
そもそも、 私がスマホやタブレットを使い始めたのも、 パソコンの代用としての「 端末」という意識が強かったからである。 むしろそれこそが 購入するきっかけであった。 ところが、その考えが180度変わり、まさしくこれらはデバイスだと悟った。
きっかけは今週明けである。androidの7インチタブレットを手に入れたところから始まった。新しい端末が入ったということから、 いつものように設定やカスタマイズを徐々に始めようとしていた。その矢先にふしぎなことが起こった。
基本設定以外なにもしないうちに、新品の機器に私の連絡先(電話帳)や、ネットブラウザのブックマークといった多くのデータが入力済みになっているではないか。以前からiPadを使っているが、そのときはパソコンとは別に、必要なデータを手入力していただけであった。
それが、GmailやiTunesを同期させるだけで、各々の端末に触れることもないままに、まったく同じデータが入力されているのである。
スマホを始めとするすべての端末機器が、共通のデータを持ち、更新もリンクできるようになってしまった。世間では以前からできていたことを、私はNexus 7という端末でやっと知ることができたのである。
今までバラバラの端末機器がつながりを持てたということで、それぞれがシステムの一環としての機能を感じられるようになった。
私の場合、ノートPCとLAN接続のデスクトップPCがある。そこに加えて、iPod、Androidスマホ、iPad、Nexus 7のすべてにつながりが生まれ、WiFi接続のプリンタも含めると7台の機器が一体化した。
Windows、Android、iOSというOSの壁も越えて、ノートPCを母体とした血縁関係が結ばれたような気持ちだ。こういう使い方ができて、それぞれの端末がデバイスになるのであろう。端末を個々に使っていたときは、機器どうしがお友だちだけの関係であったようだ。
こんなことに夢中なってしまい、今週のお題ではないが(今週は)「ねむい」日々を送っている。
ただ、浮かれてばかりはいられない。今回で知った便利さの裏には、自分の知らないうちにIDとパスワードだけで、個人の情報が勝手に行き交っている怖さも感じる。
手間はかかっても、情報機器たちはデバイスではなく、端末のままの方が安全なのでは、という危惧もなきにしもあらずである。