日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

枷のある作品

昔に観た映画『新幹線大爆破』をDVDで再び観た。
新幹線ひかりに爆弾が仕掛けられ、走り出して加速してから時速80キロに減速すれば爆発するということである。その真実性への伏線として、犯人は北海道の夕張発の貨物列車にも同様の爆弾を仕掛けて、時速15キロ以下に減速して爆発させてみせた。

同様のノンストップ・アクションで、、時速50マイル(約80キロ)以下になるとバスが爆発するというアメリカ映画に『スピード』という大ヒット作品がある。内容としてはとても類似点が多いが、『スピード』の公開が1994年に対して、『新幹線大爆破』の公開は1975年なので、こちらの方が老舗?といえるであろう。

新幹線大爆破』ではもちろん新幹線が、『スピード』ではバスが、減速のできないまま延々と走り続ける。そのシーンだけで、観客を飽きさせることなく緊迫感がどんどん増していく。単純明快、走るシーンだけでこれほどまでの効果をあげられるということが、こんなにすごいとは。まさに、(作品効果のための)枷の使い方のお手本である。

ところで、私の勘違いだったようであるが、『新幹線大爆破』の原作は清水一行さんの小説『動脈列島』だとずっと思い込んでいた。この作品も読みながらハラハラドキドキでとてもおもしろかった。映画『新幹線大爆破』でもセリフの中では何度か使われていたが、『動脈列島』では爆弾以上に枷としての効果があったのが、ATS(自動列車停止装置)である。本来は安全のための装置が、減速できない列車にとってはなによりの危険物となる。

『動脈列島』も映画化されていて、おそらく当時は観ていると思うが、今また観てみたくなっている。そして、清水一行さんのすばらしい原作ももう一度読みたくてたまらない。