日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

異端者だから成し遂げられる

 

作詞家の創意や意図に、前から興味が強い。自然に生まれたようなフレーズにも、隠されている秘密があるように思うからだ。

童謡の『ゆりかごのうた』(詞・北原白秋さん)に“黄色”を感じるという説がある。

<ゆりかごのうたを カナリヤが歌うよ・・・>。 
それからビワの実が揺れ、木ねずみがかごの綱を揺らしたりする。
カナリヤ、ビワは黄色、リスをわざわざ木ねずみとうたうのは、“木”に“黄”をかけたのではないかと。

米国ではベンチャー企業の創業者の約半数が、追放の憂き目にあっているという。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズさんも、10年余り会社を去った期間がある。
事業を成功させても、持続的な成長は難しい。自ら築いた企業を追われる心境は、その身にならねばわからない。

どのような状況下でも、ジョブズさんの創意や意図はただひとつ。
<ときめく商品の追求>だったように感ずる。

 

1689

 

スコットランド出身の俳優・ショーン・コネリーさんは熱烈な独立運動家だという。
映画『007シリーズ』で初代ジェームズ・ボンドを演じた際、スコットランドなまりの矯正をいやがった。

「私は自分のアクセントが好きなんだ。俗に言う『英語』なんてものを話すのはごめんだ」と、インタビューで語っている。

<英国上流階級育ちの諜報部員>という原作小説のイメージは一変したが、映画は大成功をおさめた。

だいぶ前だが、映画『シン・ゴジラ』を観た。大ヒット作品だ。

『非常時の危機対応 ゴジラにどう立ち向かう』との見出しで、(一昨日の)読売新聞の一面にも大きく掲載された。

大人向けの政治映画であり、東日本大震災福島原発事故、そして日米安全保障条約が絡んだ物語だ、とも記されていた。

この5年半を経験した日本人につきつけられた“非常時にどう立ち向かうか?”の問いに、観客は待ったなしの感覚を持たされるのだと。

 

1690

 

いざ、コトが起きると何も決められない政治。被害は拡大する一方である。
その際の人材集結がまた示唆的だという。

政治家、官僚システムから疎外され除外された異端者である変わり者たちが、各界から呼び出される。

彼らは自分のオタク的興味でコトにあたる。あたかもゲームを楽しむかのようにだ。
そこに国家は意識されず、肩書と上下関係は無用。

<人材は育てられるものではない。その社会がどれだけ異端者を抱え込むゆとりを持っているかどうか、そのノリシロの大きさこそが必要>なのだと。

<異端者のブロジェクトチームだからこそ、緊急事態を抑えられた>。
そこに製作者の創意や意図が読み取れる。

<一言で語ることのできる映画作品はヒットする>というジンクスがある。そこに鑑賞後の爽快感が加味されれば、その余韻はいつまでも続くことであろう。