日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

あとを絶たぬサバ読む者たち

 

たとえば、数学が好きなら金融業界へ。国語が好きなら作家、編集者、書店員に。
村上龍さんの『新13歳のハローワーク』がおもしろい。

好きな教科を入り口に、自分の向いている職業を探す趣向である。
道徳の授業が好きな13歳向けには、弁護士、裁判官、検察官などと。
社会の役に立ちたい。議論し、意見を言うのが好きであるのなら、政治家もありか。

また、好き嫌いのないのが、子どものしつけという説もある。
多様な栄養素を満遍なく摂取しないと、からだによくない。

脳も同じで、色々なことをバランスよく経験すると、若々しさが保たれる。脳は「雑食」を好むのだと、脳科学者・茂木健一郎さんは言う。

右利きでも、なるべく左手を使うことで、左右の脳が釣り合いよく使われることになる。
脳を疲れさせないためには大切なことらしい。単調な使い方だと脳は弱くなってしまうため、偏食はいけないとのこと。

 

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日本人はなぜ現金が好きなのか。それをテーマにしたテレビ番組があった。
結婚披露宴に出て、(プレゼントではなく)現金でお祝いを渡すことに外国人は驚くらしい。

周りにも“現金主義”を貫く人がいる。
今もカード類をなるべく持たず、支払いにカードを使えない飲食店も多い。
電子マネーやカード払いが大好きな私も、路地裏の小さな居酒屋では仕方なく、現金で支払っている。

無駄遣いを警戒する人や、単純に面倒くさい人。また、買い物の履歴を誰かに把握されるを嫌がる人もいる。日本では現金を持ち歩いても、安心感があるのかもしれない。

<青きは鯖の肌にして、黒きは人の心なり・・・>。浪花節の一節らしい。

「サバを読む」とは、数をごまかすということに使われているが、鯖は傷みやすいため、昔の魚市場では目にもとまらぬ速さで数え上げて売ったことに由来するという。

移転予定の魚市場でサバを読んだ者たちも、公費のサバを読み裏金を蓄えた人々も、黒きは人の心なり、だろうか。

 

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時期的には早いが、本年の“流行語大賞”に「セコい」がノミネートされても違和感がない。

富山市議会の政務活動費問題では、不正取得を認めた議員が芋づる式に辞意を表明。
東京・築地市場の移転先・豊洲市場の建物下には、土壌汚染対策の盛り土がなかった問題が発覚。食の安全のみならず、莫大な予算がどのように流れているのか気にかかる。

“世界のミゾグチ”こと溝口健二監督は没後60年である。
田中絹代さんは、映画『山椒大夫』で溝口監督から減食を命じられたという。
やせ衰えた感じを出したいためだ。

せりふの吹き込みだけを残し、出番を撮り終えてひと安心と、ないしょで昼食にステーキを食べたそうだ。

田中さんの語るせりふを聞いて、監督は首を振った。
「肉を食べましたね。声につやがある。ダメです」。

演技においても、気むずかしい完全主義者として知られた溝口監督。
「心理を反射させてください」と注文するのみで、具体的な演技指導はしない。

「ダメ」を延々と繰り返す演出は俳優たちの恐怖の的であった。
黒沢明さんや小津安二郎さんとともに、日本映画の黄金時代を築いた巨匠は、人を見抜く“眼力”も並外れている。

今の民間人も、(ザル法で税金が湯水のごとく扱われぬよう)眼力を鍛える必要に迫られそうだ。