日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

宇宙を舞う妖しきデブリたち

 

太陽系の主構成は<水金地火木土天海冥>といわれる。その中の冥王星は、太陽からの距離が地球の約40倍、肉眼では見えない。
1年前、米航空宇宙局(NASA)のニュー・ホライズンズは、この星に最接近した。
2006年1月から飛行を続けてきたのである。

冥王星の画像には、黒いまだら模様の斑点が並び、その模様は変化する。望遠鏡などの観測では、冥王星の質量が地球の約500分の1で、推定の表面温度は氷点下233度で、大気はわずかのようだ。ほとんどの物質が凍る極低温の世界で模様が変わるのはなぜか。

1957年、ソ連(現ロシア)が人類初の人工衛星打ち上げに成功して以来、多くの人工衛星や宇宙船が地球上空に打ち上げられ、太陽系の探査、気象観測、通信などの宇宙開発に貢献している。

ロケットの打ち上げられた回数は約5000回。華やかな成果の陰に失敗も多く、宇宙で爆発が生じた事故は200回以上起き、破片はデブリ(宇宙ごみ)になった。

 

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宇宙のごみ問題も深刻である。ロケットの部品や人工衛星の破片など、監視できるものだけで1万7000個近くになる。

デブリは宇宙にじっと浮いているわけでなく、人工衛星のように高速で地球をぐるぐる回っている。高度400キロ・メートルのデブリは、秒速で約7.5キロ・メートル。新幹線の約100倍という猛スピードなのだ。

小さなデブリでも、作業中の宇宙飛行士に衝突すればとても危険である。
デブリの飛行は高度2000キロ・メートル以下の低軌道が多く、800~1000キロ・メートルの高度に集中している。

その寿命は、高度200キロ・メートル以下が数日で落下する。しかし、600キロ・メートル以下で数年、800キロ・メートル以下で数十年、それより高いと数百年もかかるという。

気象衛星「ひまわり」など静止衛星が飛行する高度3万6000キロ・メートル付近になると、デブリは落下せずに地球を回り続ける。

 

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デブリを増やさないようにと、デブリに“ひも”をつける方法をJAXAは検討しているようだ。ステンレスとアルミで数キロ・メートルのひもを作り、デブリにこのひもをつけると、宇宙空間を漂う電子を吸い込み、ひもの中に電気が流れるしくみである。

そのひもが地球の磁場を受けることで、デブリの速度が落ち早く落下するという方法なのだ。

JAXAは、宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」を打ち上げる。
こうのとりがその役目を終えて、ひもを垂らして電気の流れ等を実験する予定だという。

2020年代の実用化をめざし、低軌道飛行の人工衛星なども、打ち上げから25年以内に自動的に落下させる予定だ。デブリ増を防ぐため、宇宙開発を行う各国が、2007年に取り決めた国際ルールでもある。

わからないことだらけの宇宙であるが、壮大な作業のようだ。
明日は七夕である。宇宙へと、現実的な思いを馳せるのも、たまにはいいかもしれない。